
日本最大の河川観察窓
川の中を見られる窓として日本最大を誇る河川観察窓は、紫川河口に位置しているため
海の水と川の水の境界面にできる「塩水くさび」を見ることができます。
塩分を含んだ重たい海水は下層、それよりも軽い淡水は上層を流れることにより、
まるで水の中にもうひとつの水面が広がっているように見える不思議な現象です。
また、潮の満ち引きや雨による濁り、季節などによって観察窓から見られる様子は大きく変わります。

スズキ
観察窓の常連、というよりも水環境館のスタッフと言えるくらいよく見られます。
(ただし冬は無断欠勤しがち…)
10㎝程度の幼魚から70㎝近いものまで、さまざまなサイズの個体が観察できます。

ナルトビエイ
水温が22℃を超える5月中旬以降から秋にかけて、幅150㎝くらいの大きなナルトビエイが
観察窓の横にくっついたカキを食べにやってきます。運がいいと3匹くらいの群れが見られるかもしれません。

ゴマフエダイ
紫川での発見記録はないですが、北九州市内で採取した個体を展示しています。本来は沖縄などの
暖かい海に生息していますが、黒潮に乗って北上することがあり、時々福岡県でも見られます。
この個体は約2㎝ほどの幼魚から飼育をはじめ、今ではお客様から「ゴマちゃん」の愛称で親しまれています。


ハナビラウオ
幼魚はクラゲとともに表層で暮らし、成魚になると深海で暮らすされていますが、
なぜか観察窓前にやってきました。本来、川に入ってくることはないはずなので
非常に珍しい例と言えます。この個体は2025年4月から4か月半飼育したのち
残念ながら死んでしまいましたが、我々スタッフにとっても非常に貴重な経験となりました。

市街地から車で30分の秘境
紫川は全長22.4㎞。比較的短い川だからこそ、川沿いを走るとすぐに景色が変わります。
砂底、岩底、泥底、流れの速いところ遅いところ、水深が深いところ浅いところ、
それぞれの環境にたくさんの魚たちが群れる様子を見ることができます。

アユ
秋ごろに下流域で産卵します。やがて孵化した稚魚は海へ下り、翌年の春に紫川へ遡上して
上流域で夏を越し、秋に下流域で産卵して1年の寿命を終えます。かつて公害で汚れた紫川の
復活をアピールするために毎年放流が行われています。

ヤマメ
上流に生息するサケの仲間で、紫川では鱒淵ダムより上で見られます。一生を川で暮らせば
ヤマメ、海に下って成長すればサクラマスと名前が変わり、紫川には鱒淵ダムを海の代わりとして
大きく成長するサクラマス型の個体も生息しています。

カワヨシノボリ
上流から中流に広く見られるハゼの仲間で、水中を覗くとオスとメスが石の下に
寄り添っている様子が観察できます。

オオヨシノボリ
上流域の一部にのみ生息する大型のヨシノボリです。通常の河川では海と川を
行き来して暮らす魚ですが、紫川ではダムを海代わりにして生活する「陸封型」の
個体群ということになります。胸鰭の付け根にある黒い斑点が特徴です。

オイカワ
いわゆる「ハヤ」として知られ、紫川では上流から下流にかけて生息しています。
繁殖期の初夏になるとオスは全身に鮮やかな模様が浮かび上がります。

アブラボテ
かつて紫川に生息していた5種類のタナゴのうち、唯一の生き残りがこのアブラボテです。
2022年ごろまでは上流域のとある地点に楽園とも呼べるアブラボテ生息地がありましたが、
度重なる河川工事により激減し、現在では絶滅の一歩手前と言える状況となりました。

フナ
よく知られた淡水魚ですが、分類をはじめ実は謎多き魚でもあります。
紫川にはギンブナとオオキンブナと呼ばれる2タイプのフナが生息すると思われます。
一般的にギンブナはオスがおらず、他の魚の精子で受精するという不思議な生態を持つと
考えられています。

オヤニラミ
生息地の環境悪化などに激減した河川もありますが、紫川ではかろうじて見ることができます。
上流域の水生植物がたくさん生えている場所に生息しています。